埼玉県ネットトラブル注意報 平成28年4月号
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「スマートフォンを持つ上で気をつけたいこと」
■スマートフォンの普及とネットトラブルの増加
携帯電話やスマートフォンが急速に普及し、私たちの生活はより便利に、より快適なものになりました。今ではスマートフォンが主流になってきています。では、具体的にどれほど普及しているのでしょうか?
内閣府調査によれば、平成23年の高校生のスマートフォン所有・利用率は6.8%、携帯電話は88.8%だったのに対し、平成27年はスマートフォン所有・利用率は93.6%、携帯電話は3.9%となっています。つまり、この4年間でスマートフォンのシェアが大幅に拡大し、普及したということになります。
警察庁は、インターネットを通じて18歳未満の児童生徒が犯罪に遭遇しないよう、平成25年10月から全国の警察で「サイバー補導」を導入しました。平成26年には439人、平成27年には533人(94人増)の18歳未満の少年らが補導されています。補導された少年らの平均年齢は16.5歳で、最年少は12歳の中学1年生男女2人、年齢別で最も多かったのは17歳の236人です。そのうち71.8%は非行・補導歴がなく、更に18、19歳も含めた補導人数は666人にも上ります。
年々スマートフォンの利用者は低年齢化してきています。「うちの子に限って・・・」という意識ではなく、ネットトラブルは誰にでも起こり得るという姿勢が望ましいと言えるでしょう。
【無料通話アプリやSNSなどによるいじめ】
無料通話アプリでは、メッセージのやり取りを、同じグループ内でしか読むことができないため、特定の人を仲間はずれにしてグループを作ったり、招待して即退会させるなど、いじめの手段として使用されるケースがあります。
また、メッセージを読むと「既読」というマークが付き、メッセージを読んだことが分かる仕組みになっています。このことから、メッセージを読んでも返信しない場合は「無視された」と捉えられ、いじめに発展するケースもあります。
さらに、ネット上で「死ね」「殺す」等のメッセージを送られたことで、不登校になったり、命に係わる事件が起きたりしています。
【見知らぬ人との出会いによるトラブル】
女子中学生がチャットやメールで知り合った男性から、自分の裸の画像を送るよう強要され、男性が逮捕される事件が起こっています。
ネットでのトラブルに巻き込まれないためには、SNS上で安易に個人情報を伝えないなどの注意をする必要があります。
また、無料通話アプリのロゴを真似たマークを使い登録を促し、出会い系サイトに誘導する事件も報告されています。手口が巧妙化しており、自分では気が付かないうちに出会い系サイトに登録されることもあります。
■トラブルの対策
【フィルタリングサービスを利用する】
携帯電話会社等が提供するフィルタリングサービスに加入すると、子供の年齢に応じて、有害なサイトへアクセスを防ぐことができます。
(※フィルタリングをかけても閲覧できる有害サイトもあり、注意が必要です。)
【ネットの安全な利用方法を考える】
SNSにあるプロフィールや写真が、実際のものであるかどうかを見抜くことは大変困難です。「良い人を装った悪い人」とネットで知り合い信用した結果、個人情報や写真、無料通話アプリなどのIDを交換したり、直接会いに行ったりしたために犯罪被害を受けるケースが増加しています。
子供たちに、ネットを利用することが危険と隣り合わせであることを認識させるとともに、ネットの安全な利用方法について、子供たち自身が考えるよう促すことが大切です。
埼玉県教育局県立学校部生徒指導課